病院のご案内
2023年 新春のご挨拶

兵庫県立淡路医療センター
院長 鈴木 康之
新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になり有難うございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、あるネット配信のニュースによると、2022年の医師による10大ニュースの上位3位は「ロシアのウクライナ侵攻」「安倍元首相の訃報」「大阪のクリニック放火殺人事件」と悲惨なニュースが占め、2020~2021年に大半を占めた新型コロナ関連ニュースは減少し、第5位の「オミクロン株が主流に」が最上位であったとのことです。確かにウクライナ戦争の影響は、物価高、エネルギーや建築資材の不足、一部の医療機器部品や診療材料の不足など医療にも暗い影を落としています。また、多少関心は薄れたとはいえ、新型コロナ対策は医療機関にとって依然重要な課題です。今年も折々に診療を逼迫させる可能性が高いものと思われます。2023年も不安のスタートとなりますが、淡路島内唯一の急性期総合病院として、高度専門的医療も含め良質で安全な医療を提供し、可能な限り島内完結の医療を目指していきたいと考えます。新型コロナを含む救急の患者様はこれまでも、これからも原則全て受け入れます。職員一同、地域の中核病院としての使命感と責任感をもって真摯な姿勢で地域医療に貢献していく所存です。
以下、当センターにおける最近のニュースです。
- 1.2021年末に血管造影室が3室に増え、ほぼフル稼働しています。心臓、血管、脳の疾患に対して高度な血管内治療を早急に行うことができています。
- 2.現時点では外科系診療科の手術制限はなく、コロナ禍で延長していた手術待機期間の短縮に向け、手術部はコロナ前と同様に多忙になっています。今年は局所麻酔手術室を新設し、より多くの手術をお待たせすることなく行えるように施設内整備を進めています。
- 3.手術用ロボットの導入を予定しており、導入後の円滑な稼働に向けて準備を進めてまいります。より体にやさしい前立腺手術・各種手術が可能になります。
- 4.がん治療に必須の放射線治療装置(リニアック)を今年更新する予定です。従来機器と比べて副作用を軽減し、より有効性が高い高度な放射線治療が可能になります。
- 5.2022年から難治性のすい臓がんに対して、根治を目指した集学的治療(術前抗がん剤投与+病巣切除+術後抗がん剤投与)の臨床試験をスタートさせ、現在まで5名の方に治療を行っています。治療成績の向上が期待されます。
- 6.脳神経外科では約1年前に新しい手術ナビゲーション+モニタリングシステムが導入され、より安全で治療効果が高い手術が行えています。
- 7.心臓外科では小開胸による体にやさしい手術も積極的に取り入れ、安全に行えています。この治療は入院期間の短縮にも繋がっています。
- 8.2021年から始まった院内助産も順調に増加しています。産科医師が待機して行う助産師主体の外来診察と分娩です。院内助産で出産された方から好評を得ていますし、院内助産を希望する方も増えています。
淡路島や兵庫県の皆様の健康維持や疾患の克服を目指し、チーム医療、集学的医療、救急医療、先進医療、個別医療などを駆使し、一方では県内・島内各所の医療機関とも強くタイアップし、患者様に信頼される医療を提供し続けたいと思います。
兵庫県立淡路医療センター
院長 鈴木 康之