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病理診断科
概要・特徴
高齢化社会に入り、「一生涯で2人に1人は癌にかかる」という認識が巷間定着してきたと感じる昨今です。また、治療も日進月歩、それに伴って病理診断に遺伝子や分子生物学的知見が要求される時代となりました。一方、癌の診断に携わる病理医数の不足は恒常的に続いており増員を含めた対策が火急の課題となっています。
当院では、長崎大学、神戸大学などからのサポートを得ていち早く「デジタルパソロジー」のノウハウを導入・実践してきました。「デジタルパソロジー」とは、いわば遠隔医療の一形態です。従来病理診断は顕微鏡による形態診断や免疫染色の評価等を通じて当該施設の病理医のみ(多くは“一人病理医”)によってなされてきましたが、デジタルパソロジーの技術により顕微鏡画像をデータ化し、インターネットを通じて世界中どこからでもパソコンでその画像を供覧できるようになりました。それにより、診断困難な症例も瞬時にその分野のエキスパートにコンサルテーションしたり、複数の意見を聴くことも可能になりました。経験豊富で優秀な病理医であっても一人病理医として診断する限り逃れ難い一定の誤診確率を一気に下げることが可能になり、病理医不足の解消にも貢献できるこの技術を病理診断科のシステムの柱として2015 年以来実践してきました。日常診断はもとより、病理医の育成や研修医、医学生の教育にも積極的に採り入れている例は未だあまり聞かれることはなく、非常に先駆的な取り組みであると認識しています。
また、時代の要請である遺伝子検査や分子生物学的検査にも対応できるよう、スタッフの検査技師共々研鑽を重ねています。
診療実績
病院の規模、検体数からすれば常勤病理医一人だけで対応するのはなかなか難しい規模ですが、デジタルパソロジーを柱とした手厚いサポート体制(ダブルチェックの徹底やdiscussion システムの充実化など)で質の高い診断の貫徹を常に目指しています。
また、こうした先進的な取り組みに対し、病理医を目指す・目指さないにかかわらず、病理診断の重要性や臨床との連携の必要性を認識した研修医や学生の研修希望が増えており、積極的に受け入れています。
「日本病理剖検輯報に基づく全身性アミロイドーシス各病型頻度の疫学調査」研究計画書
過去3年の実績
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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組織診 | 4433 | 3951 | 4487 |
術中迅速診断 | 137 | 103 | 116 |
細胞診 | 4147 | 4016 | 3977 |
病理解剖 | 13 | 8 | 12 |