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糖尿病・内分泌内科

糖尿病について

糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」がうまく働かず、血糖(血液中の糖)が高くなる病気です。これにより、眼、腎臓、神経、脳、心臓、足などに様々な合併症が引き起こされます。日本では糖尿病患者と糖尿病予備軍が各々約1000万人いるとされています1)。糖尿病治療の目標は、合併症の発症・進展を防ぎ、健康な人と変わらない生活の質と寿命を確保することです2)。
糖尿病の発症予防からその診断、そして食事や活動(運動)などの生活のケアをベースにした薬物療法による治療まで、一人の患者さんを全身にわたって管理するためには、専門的な知識と診療能力を有する糖尿病専門医が携わることが非常に重要です。

糖尿病には1型、2型、妊娠糖尿病、その他の4種類があり3)、特に2型糖尿病は90%以上を占めます。1型糖尿病はインスリンが分泌されなくなるため、インスリン治療が必須です。2型糖尿病は遺伝因子、環境因子(肥満、過食、運動不足、ストレス、加齢など)が原因で発症します。妊娠糖尿病は妊娠中に血糖が高くなる病態で、お母さんと赤ちゃんを守るために血糖を下げる必要があります。

日本糖尿病学会は『1000万人の糖尿病患者さん一人ひとりに最適な1000万通りの個別化医療』4)を目標に掲げており、当院では最新の糖尿病治療に基づいて個別化医療を実践しています。当院は淡路島内で数少ない糖尿病専門外来であり、淡路島内で幅広く患者を受け入れさせて頂いていますが、遠方から通院する患者さんにとっては頻繁な通院が困難です。このような事態を解消するために、遠方から紹介された患者さんは、治療の目途がついた時点でかかりつけの病院やクリニックで治療を継続し、定期的(3~6ヶ月毎)に当院でも診察を行うこととし、患者さんの移動の負担を軽減しています。また、コロナ禍前に実施していた医療機関での講演会や市民講座も再開し、糖尿病に関する知識を普及させる取り組みも行っています。

淡路島は高齢化が進んでおり、2020年の65歳以上の高齢化率は37.2%です5)。全国の2050年の高齢化予測値とほぼ同じで、淡路島は約20~30年先んじて高齢化が進んでいます6)。高齢化は糖尿病発症の原因となり、高齢者に適した糖尿病治療が必要です。糖尿病治療薬の中には血糖を下げる一方で低血糖のリスクがある薬剤があります。高齢者は低血糖に対して弱く、低血糖が起こらないような薬剤を選択する必要があります。高齢者に適した糖尿病治療を行うことで、合併症の発症・進展を防ぎ、健康な生活を支援します。

当院では、高齢者が多い淡路島で個々に応じた専門的な糖尿病治療を行い、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供していきます。

1) 平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要
2)日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2022-2023, p31, 文光堂, 2022
3)糖尿病53(6):450~467,2010
4)糖尿病連合 日本糖尿病学会 第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」
5)日本医師会ホームページ(H.P. https://www.med.or.jp/より作成
6) 内閣府 平成29年版高齢社会白書(概要版)

内分泌疾患について

先端巨大症、クッシング病、尿崩症、下垂体機能低下症等の下垂体疾患、バセドウ病、橋本病等の甲状腺疾患、副甲状腺機能亢進症等のカルシウム代謝異常症(骨粗鬆症含む)、褐色細胞腫、アルドステロン症、クッシング症候群等の副腎疾患等に対して専門的な診療を行っています。