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放射線部

RI内用療法

RI内用療法とは、静脈注射で体内へ投与した放射性医薬品を特定臓器に集めて、そこから出てくるアルファ線やベータ線などを集中的に腫瘍組織へ浴びせる放射線治療です。

抗がん作用のあるゾーフィゴ(Ra:ラジウム-223)治療

ゾーフィゴ®静注は骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して治療効果が期待できる放射性医薬品です。アルファ線を放出するラジウム-223という放射性物質が含まれています。このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に入ると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そしてそこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞の増殖を抑えます。

ゼヴァリン(Y:イットリウム-90)治療

ゼヴァリン®による治療は、低悪性度B細胞性リンパ腫(低悪性度B細胞性リンパ腫には、ろ胞性リンパ腫・MALTリンパ腫・小細胞性リンパ腫なども含む)、もしくはマントル細胞リンパ腫の患者さんで、初回の薬物療法が聞かなかった場合や再発した場合に行うもので分子標的治療に放射線療法を組み合わせた放射線免疫療法です。この放射性医薬品にはベータ線を放出するイットリウム-90という放射性物質が含まれています。注射された薬剤はB細胞に発現しているCD20(血液中のB細胞表面に存在する抗原でイブリツモマブの標的となるもの)を標的として結合し、そこでベータ線ががん細胞にダメージを与えます。
ゼヴァリン®の治療は2回の注射で終了します。最初の注射は、体内のゼヴァリン®の分布をみる目的で行い、そのあとに治療用のゼヴァリン®を投与します。